「ひとつ」
早いもので、どうしようもなく心を動かされたあのひとことから
丸1年が経ってしまったわけだ。

NYという街で
消えない痛みを抱えた中で
ただ祈りを捧げるような
だけどとてつもなく力強いあの音を
ふたりで生み出していたあの人達に
漠然と「好きだ」と言う感情が渦巻いた。

・・好きだ。

どうしようもなく苦しんでるはずなのに、
それでもなお答えなき答えを描き出していくあの言葉が。
悲痛な叫びすらも、優しい祈りに変えてしまうあの声が。

そしてそこからできあがったものを
「俺の全部」と言い切ることのできてしまうあの人が。

そんなふうに
自分の信じたことを守り抜く生き方は
楽しい よな

つらいけど、きっと楽しい。

そしてそれをまっすぐに出来るひとのことを
「かっこいい」というのだ。

そんな姿を見せてくれるあの人達が大好きで
そして私もそうなりたいと、近付きたいと、願う

だからこそ好きでいたい。
きっとこの感情はもう私の一部なんだろう。
私の生き方や感情全てに繋がる、大切な「ひとつ」。

「それが、俺の全部」
この言葉は、1年経った今もなお私の胸に住んでいる。

20030412 藍葉